こんにちは~しずろくです。
先日は仕事の合間にDELE*の試験の申込に行ってきました。
DELE* =Diplomas de Español como Lengua Extranjera の略で
国際的なスペイン語能力試験。
ここアルゼンチンでも受けることができます。クラス分けは
A1(入門)・A2(初級)・B1(中級)・B2(中上級)・C1(上級)・C2(最上級)
の6つ。
TOEICのように点数が出るのではなく、結果は合否のみの試験。
仕事では問題なくコミュニケーションをとれていると勝手に自負しておりB2いけるかな~と過信している自分ですが、
ひとまず中級のB1(筆記と口頭)を受けてみます。
試験は11月。手を抜かず時間を作って勉強します。
アルゼンチンにお住まいでDELEに興味のある方は
Associación de Centros de Idiomas (SEA)
や
Academia Buenos Aires
で申込できますよ~。
ちなみにB1(中級)の試験料は2022/9/14時点で USD184。。。
もちろんブルーレートです。Peso換算では 50,600 Peso。。(184USD X 275 Peso Blue)
なんでテストに日本円で約50,000円も払わなあかんねんという気持ちもありますが、
DELEは国際的な語学力の証明。海外の大学進学・就職でも非常に有効。
払いました。
絶対受からなあかん(金銭的なプレッシャー)
USDが手元になくても、日本の円口座があれば、ここアルゼンチンでは何とかうまくやっていける方法があります。
私はこれで50,000peso支払いは回避。
実質約26,000円の支払いで済みました。
(アルゼンチン住まいの方ならいろいろわかってくれるはず・・・)
このあたりのサバイバル方法(?)はおいおい書こうと思います。
そもそもブルーレートって何?という方は過去記事をどうぞ!
前置きが長くなりましたが、今回は
「アルゼンチン人の口の悪さとスペイン語」について書きます。
巷ではアルゼンチンスペイン語は「乱暴」「イタリア訛り」「自虐的(これは性格??)」とよく言われますが果たしでそうでしょうか。
約1年生活して分かったことを書きます。
*すべて個人的見解です。アルゼンチンと言っても広く、ここでは特にPorteño(ポルテーニョ)と言われるブエノスアイレスのスペイン語訛りについて書いています。口も悪く、自虐的なそんなアルゼンチン人が大好きです。
アルゼンチン人は本当に口が悪いのか
さて、早速ですが、アルゼンチン人は本当に口が悪いのでしょうか?
よくスペイン語圏の他の国でも「スラングが汚い」「語気が強い」などいわれるアルゼンチンのスペイン語。
事実、会話でも二人称複数形の「VOS(お前)」を使うのは
アルゼンチンとベネズエラ・他の中南米諸国の一部です。
私は仕事でスペイン人の目上の人に挨拶を返す際
「Todo bien y vos??」と言ったら驚かれたことがあります。
使うべきは「~ y usted」(あなたは??) だったんですが。。
もちろん当時スペイン語初心者の日本人が放った言葉なので相手は当然笑っていました。
(というより私がVOSを放った後の微妙な空気感を察知し、訂正しました。)
他にも
Como vá che?? 「おい、お前元気か?」
¡Cuidado, boludo! 「気をつけろよ、馬鹿野郎!」 (本来悪いニュアンスは全くないです)
これらの言葉はアルゼンチンならではでしょう。
くれぐれも気心知れた同年代や友達の間で使いましょう!
実際これらのスペイン語からもわかるように例えば他の中南米に出張で行った際など人と話していると
「ははーん。この日本人はアルゼンチン住まいだな」
と一発でバレます。
こういった言語の違いからアルゼンチンスペイン語は「口の悪さ」のイメージがあるのではないでしょうか?
でも「日本人=みんな相撲やってる」みたいなステレオタイプが間違っているの同時に、
アルゼンチンが全員言葉使いが悪いというのは全くの間違いです。
アルゼンチンと言っても国土は日本の7倍。これだけ大きいうえに他民族からなる国です。
当たり前ですがシャイな人や静かな人も多いし、よくイメージする(?) The ラテンの底抜けに明るい人もいます。
アルゼンチン人≠口が悪い という考え方は違います。
ただ一般的にブエノスアイレス住まいのアルゼンチン人の話し方に特徴があるのも事実。
これは文化なので楽しみましょう!
最初の衝撃- 同僚のホームパーティに呼ばれ
ある日、職同僚のホームパーティーに呼ばれた私
同僚はなんと8人兄弟!(本人はその末っ子)
さらにその兄弟たちの彼女・奥さん・子供。総勢30人くらいのAsado パーティ。それはそれは楽しい時間です。
ブエノスアイレス郊外で日本人もいない地域。
物珍しさもあるのか酒も入ったおっちゃん(同僚の叔父??) は聞いてきます。
Hei Japonés, tienes mujer?
Cuántos años tienen su viejos?
え。俺の女?? 俺の年寄??すぐに妻や親の事だとわかりましたが
日本で習ってたスペイン語と違うやん!
という衝撃。
mi mina とかQuilombo とかもその日覚えました。。。調べてみてくださいね。
スペイン語と言っても世界は広いな~という経験でした。
いろいろあるよスラング(アルゼンチンスペイン語)
CHE, BOLUDO, VOS 以外にもアルゼンチンならではのスペイン語はたくさんあります。
- Groso- 素晴らしい、最高
- Chabón - 誰かを呼ぶときの「お前」、未熟者という意味も
- Bondi -路面電車
- Trucho – 偽物、すぐ壊れる、詐欺の
- Pibe – 若者
- Malandra -非行、悪い
- Quilombo – 無秩序、でたらめ
どれもスペインやメキシコ、他の国では通じない言葉ばかり。
気になる人は調べてみてくださいね!!
これらのスラングはここアルゼンチンでは“Lunfando”(ルンファルド) と呼ばれ、
なんとアルゼンチン文化庁にも正式に認められている文化なのです。
参照:アルゼンチン文化庁HP: 私たちが毎日使うLunfando とは
(サイト内はスペイン語です)
このスラングはすべて合わせて6,000語あるといわれており、かつ新しい言葉も年70語ほどできているとのことです。
言葉は生きていますね・・。
歴史的背景 – Lunfardo
そもそもなぜ、アルゼンチンにはこんな特殊なスペイン語が多いのでしょうか??
それはこの国の歴史的背景にあります。上記文化庁のHPから少し翻訳。
ルンファルドは19世紀末から20世紀初頭の移民言語の産物。
移民同士(様々な国の)が取るコミュニケーションの必要性から生まれたスラング。
このような大衆的な言葉が「ルンファルド」と呼ばれるようになるのは、それからしばらく後です。
1953年9月5日、アルゼンチンの作家ホセ・ゴベーロによる「ルンファルド」という本が出版され、ルンファルドの単語が救出され、言語学上の事実となりました。
そのため、毎年9月5日は「ルンファルドの日」となっています。
Lunfardo は18世紀当時、一部、下町の人間やが高利貸しの間で使われたことから、泥棒の代名詞でした。
やがて、イタリア語の“lombardo”は”lunfardo”となったのです。
その後、ルンファルドは一般市民含む多くの人々に共有され、限界的なコードではなく、日常生活に溶け込み、タンゴやサイネテなどの芸術表現を通じて広まることになりました。
イタリア・ドイツ・ブラジル他、移民国家ならではですね。タンゴの曲の中でもLunfardoはよく出てきます。
おわり
まだまだあるアルゼンチンスラングのLunfardo。
使う場面には注意しながらもスペイン語勉強頑張っていこうと思います~
まずの目標はDELE B1合格。
それでは~