アルゼンチンに来てから学んだ仮想通貨とWEB 3.0。
最近のFTX破綻 ~ SVB 破綻 ~ クレディスイス破綻で考えることがあったので
今回は金融商品の民主化について自分の備忘録。
決して何か特定の 暗号通貨の プロモーションだとか広告だとか、そういう話ではないです。
さて、私がアルゼンチンに来たのは、まあ仕事の都合なんですけれども、2021年。
そのころ何があったか。
- アルゼンチンはハイパーインフレの真っ最中(今でも)
- 暗号資産バブル
アルゼンチン当然ずっとインフレーションが進んでいるので。 まあそれはそうなんですが
暗号資産市場で言うと1ビットコイン67,000ドルということで、過去史上最高値の価格となった年。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻も起きる前。
まだコロナ下でアルゼンチンも公共でのマスク着用が義務付けられていた、そんな年でした。


今の状況
それから時は立ち、今は2023年3月。
その間に起きた金融に関わる世界的な出来事は
- ロシア・ウクライナの軍事侵攻
- 石油・電気・ガス料金の世界的値上げ
- 全体的にどこもインフレ
- アメリカ・欧州の歴史的金利アップ。
- 日本だけ引き続き低金利
- 新日銀総裁発表
- FTXの破綻(暗号資産取引所)
- SVBの破綻 (銀行)
- クレディスイスの破綻 (銀行)



いろいろあったよね。
その後の各指標はこんな感じ。








クレディスイスの規模
SVB (Silicon Valley Bank)に比べてクレディスイスの破綻は規模がでかい。
世界でも10番に入る銀行の破綻の衝撃。既存の金融システムへの不安はしばらく続きそう。
ちなみに、日本の民間銀行が破綻しても預金は1,000万円までは保護されるからここはそれぞれがリスクヘッジ必要。それぞれ口座を分けるとか
暗号資産の本質


暗号資産の本質はスマートコントラクトです。
誰でも取引内容を確認・証明でき、且つ情報は不可逆でトレースもできます。
もちろん投機性があるのは否めないけどそれはゴールドでも投資信託でも一緒。
さて日本の仮想通貨・暗号資産に対する印象はすこぶる悪いです。
自分としての解釈は以下。
日本は世界唯一の取引所だったけどここで 信用失墜。
日本は世界唯一の取引所だったけどここで 信用失墜。
このあたりの2パンチ + 2019年以降の「億り人ブーム」と2022年の冷え込みでもうすっかり消沈。
でもこの間にスマートコントラクトとDefiの価値が世界に浸透して、
欧米・東南アジア・中南米含む新興国では一気に暗号資産市場が拡大しました。
日本は取り残されている。
ちなみにWEB3.0と暗号資産については
2022年12月に経済産業省の公式レポートとして
「今後重要」「政府としても後押し」としています。
中期:文化経済、金融、社会課題解決、その他の領域で、持続可能で価値がある
Web3.0事業環境整備の考え方
Web3.0関連事業を多数創出することで経済を活性化するとともに、Web3.0関連事業
を通じて個人のクリエイターやファン等の活躍を促進し、個人のエンパワーメントに繋げる。
ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー 大臣官房 Web3.0政策推進室
長期:ブロックチェーン技術が、今後到来する、日常的に膨大な量のデータ処理を行う
Web3.0事業環境整備の考え方
Society5.0(サイバー・フィジカル融合社会)時代の、グローバルなデータ共有基盤
の構築やトラストを確保したデータの流通等を支える技術の芽に繋がる可能性を追求。
ー今後のトークン経済の成熟から、Society5.0への貢献可能性までー 大臣官房 Web3.0政策推進室



わかりにくい笑。つまり、可能性は限りなく信じているけど、断言はできないというなんとも官僚的な内容。
それでも政府の中で分野に明るい人が必死にオヤジ世代に説明しながら作り上げた感を感じます。
何よりこれが経済産業省のレポートとして出ているのが素晴らしいと純粋に思う。
気になる方はこちらから。(経済産業省の資料に飛びます)
このあたりの「悲観論」と「もう進むしかないWEB3.0」をどう個人で見るかが重要。
私はBTCとETH はしばらくベットします。
既存の金融システムの限界と金融の民主化





歴史的にも技術が既存の商流を壊してきました。
- Amazonが出てきて本屋の売り上げが減る
- Instaの登場でファッション雑誌が売れなくなる
- Youtubeの登場でテレビの視聴率は下がる
- 暗号資産の登場で銀行業がなくなる
このあたりは一日で突然起きるのではなく、
じわじわ世界が変わってきているのでゆでガエルにならないようにしたい。
資本主義が続く以上、実際銀行はなくならないけど役割は変わる。
このあたりの技術の共通点は「民主化」。
誰もがseller になれて、コンテンツ発信者になれ、個人でお金の貸し借りができるようになる。
アルゼンチンのインフレは良い勉強。
アルゼンチンに来て嫌でも学ぶインフレーション。
持っている紙幣はそのまま持っていると紙くずになる。
だから、手持ちのペソの価値が下がる前に、何かに交換する。
例えば
- USD
- EURO
- USDT
- USDC
- パン・パスタ・ワイン 他日用品。
等々。



いつもババ抜きみたいと思っています。(アルゼンチンペソがジョーカー = 手元に来たらすぐに誰かに渡したい)
交換先の代表的なのは現金だけど、実際にUSDTと物のやり取りはアルゼンチンですでに始まっている。


facebookのマーケットプレースでも「中古のIphone13をUSDTで売ります!」とかめちゃある。
すでに暗号資産が生活までしみ込んでいる。
これはこのひどい経済のアルゼンチンだからこそ実感した側面。
破壊と再構築


ところで、全く話は変わるが子供の最近の趣味は LEGO。
アルゼンチンは LEGOっぽいブロックおもちゃいっぱいあるけど、
寸法の精度とか子供の興味が全く違う。
値段が高いけど、海外出張時に良く買ってくる。
Lego は組み立てるのと同じくらいの壊す時が楽しい。
— しずろく🇦🇷南米 (@Shizuroku1) March 19, 2023
大人になると自分から壊そうとする機会が減った、そう息子から学ぶ。
Legoを組む前に色を分けると、作業に取り掛かりやすいことに気がつく我が子。確かに。 pic.twitter.com/vGfutPQHmJ
— しずろく🇦🇷南米 (@Shizuroku1) March 13, 2023
子供の姿を見ていて、
新しいものを作るには思いっきり何かを壊さなくてはいけないなぁ~とふと思う。
これは何も暗号資産や金融だけでなく、自分の仕事でも同じ。
いわゆる大企業にいると、勝ちパターンや商流が
ある程度決まっているからしばらく何もしなくても商売が続けられる。
気が付いた時に手遅れにならないように常に今の方法を破壊することは肝に銘じたい。
PoSとかPoWとかシャーディングとかDAOとか細かいことは考えなくても
「皆が真実を確認できて」「管理者不在」「オープンコード」
のブロックチェーンは長期では成長しかない。と考えています。



あとアニメ・ゲーム・独自文化の日本とは相性良い。
最近Kindleで読んだこの本はダントツで分かりやすかった。
もともと日本の超中央集権組織の東京証券取引所に勤めていた千野さん。
リーマンショック以降既存の金融システムに疑問を持ち、NFT,DAO,WEB3.0に足を踏み込んだ人です。
難しい言葉も既存のシステムと比較しながら説明してあり頭にすっと入った。
おわりに
今回の記事は、特定の仮想通貨を何かオススメしたいというわけではなく、
技術を信じたいということです。
変化は、でかい波が一回来るんじゃなくていくつかの波が押しては引いてを繰り返し、やっと浸透する。
だからこのブロックチェーンの黎明期を見ている自分は、
40年後、孫世代に何を話せるかな~と考えています。



そんなことを考えた日。
さて、仕事、仕事