- 最新! 2025年のアルゼンチンブルーレート情勢
- なぜ「ブルーレート」が少しづつ消えつつあるのか?
- 旅行者へのメリットと注意すべきポイント
- 現地在住者はどう生活防衛する?

どうも~
しずろく です。
急展開。
アルゼンチンのブルーレートが消えかけています。
正しくは、消えそうな雰囲気。
2025年中になくなるかもしれません。
事の発端は4月に入ってすぐの政府発表の「CEPOの撤廃」
🇦🇷経済は4/14(月)以降大きく変わりそう。
— しずろく🇦🇷 (@Shizuroku1) April 12, 2025
在住者・旅行者にとっての影響
簡単にまとめてみました。↓ (CNNのリンクもつけてます)
2025年4月11日、アルゼンチン中央銀行(BCRA)と経済省は「個人向けセポ(外貨規制)」の終了を正式発表。
つまり個人が「自由に」ドルを購入できる時代に突入。↓
端的に言うとこんな感じ(25/4/11の政府)



あんたら、もう外貨(ドル)の購入規制撤廃するから、自由にドル買ってええで



うぉぉぉぉよっしゃードル買える!!(これまでは月に200ドルしか公式に購入が許されてなかった )



うん、いいよ。その代わりもうややこしかったブルーレートいずれ撤廃するわ。ちなみに、まだまだ為替介入するけどな。


- アルゼンチン在住の駐在員・その家族
- これから旅行・出張・留学などでアルゼンチンを訪れる予定の人
- 「インフレ」「ブルーレート」が気になってきた海外生活初心者
- 現地生活の「損しない知識」を身につけたい人
結論:「ブルーレートなし」の旅が始まりつつある
2025年4月、アルゼンチンの経済政策は大きな転機に入りました。
話題はずばり「CEPOの撤廃」からの「ブルーレートと公式レートの縮小」。



2025年末から2026年に非公式のブルーレート消えるかも。
かつては、旅行者や現地人にとって
「必須アイテム」だったブルーレート。
この非公式のドルレート、公式レートとの差が狭まってきました。
*ブルーレートとは対ドルの非公式アルゼンチンペソレートのこと


過去からのブルーレート推移



2025/4/19の公式vsブルーレートの比較


対ドルのアルゼンチンペソは2025/4/19時点で
- 公式レート 1USD = 1,170ARS
- ブルーレート1USD =1,250ARS
と約7%の開きにとどまっています。
これは2023年以降20%~50%開きのあったころと比べ、また2011年にブルーレートが生まれてから最も小さい差。
2023年のブルーレート記事とかマジで懐かしいなwww


なぜブルーレートが消えつつあるの?
1.政治変更と経済改革
ハビエル・ミレイが2023年に大統領になってから大きな経済政策がいくつもとられてきた。
結果、
- インフレ率大幅低下(50%前後)
- 公式レートと非公式レートの差はわずか10%程度!



とこれまでは成果を出しつつある。


そこで今回のCEPOの撤廃。
CEPOとはアルゼンチン国民に取られてきた外貨購入規制。
- 月200ドルまでしか買えない(公式では)
- クレカ決済に「ドル観光税」が上乗せされる
- 多重為替レート(公式/ブルー/MEP etc.)が乱立
という「複雑すぎる制度」でした。2011年から14年くらい続いてた。
あんたアメリカドル買いたいなら月200USDまでな!しかも銀行に申請してから。
っていうハイパーインフレ下の無茶苦茶なルール。
だから国民・旅行者や現地在住者はあの手・この手でブルーレートで町の換金所でドル購入・ペソ購入を必要に応じて取っていた。
約14年もの間取られていた外貨へのアクセス制限が 4/14(月)にその終わりを告げました。
それもあっさりと。
アルゼンチン在住者にとって何がどう変わったの?



2025年4月14日からルールこう変わった。
- 月200ドルの購入上限が撤廃! ⇒ いくらでも買えるようになります(※ただし現金の場合は月100ドルまで)
- 公務員や社会保障受給者も購入OK ⇒ 所得制限などの条件はすべて撤廃
- MEP/CCL(証券経由ドル購入)との併用もOKに ⇒ ややこしい過去90日の制限なども撤廃
とはいえ、政府の介入(市場へのドル供給)はまだ続いている。
「完全自由化」には至っていない。
為替の行方を市場に任せるけど、1,400ペソを越えたら政府/アルゼンチンの中央銀行はまたドル購入するため奔走することになる。
本当にブルーレートが無くなるかはまだ様子見


バンド制で政府はドルをコントロール



アルゼンチン経済も新しいフェーズに。
為替制度も新体制へ
「バンド制」導入 ドルの為替レートは、今後は完全な固定ではなく、「バンド制」で変動。
下限:1ドル = 1,000ペソ 上限:1ドル = 1,400ペソ で毎月1%ずつ上下のレンジが拡大
1,400ペソを超えたら政府はまた外貨(ドル)を買いに奔走することになるっていうこと。
これがアルゼンチンの不確実性なんだよなぁ。
ミレイが今のところそれなりにうまくいっているといっても
20年以上のツケを返せるかは疑問。
インフレが収まったわけじゃないから雲行きは怪しい



アルゼンチンの慢性病インフレ。とどまることを知らない
今回の 1USD = 1,000-1,400 ARS のバンド制っていうのは月間インフレ率 1-1.5%がベースになっている。
そんな中,早速 2025/3月のインフレ率が発表。。。
3.5%
もう雲行き怪しいやんけ!!!
年間インフレじゃないですよ。
一か月のインフレですよ。(日本人に説明する時の定番コメント)
引用:“Los supuestos del acuerdo con el FMI que permitirían reducir el peso de la deuda pública”
https://www.infobae.com/economia/2025/04/19/los-supuestos-del-acuerdo-con-el-fmi-que-permitirian-reducir-el-peso-de-la-deuda-publica/
引用: JETRO 2025/4/17 「3月の物価上昇率が前月比3.7%と加速、新たな為替政策の影響に注目」
【そもそも】アルゼンチンのインフレってなんでこんなに厄介なの?



理由は主に3つ・
「ブルーレート」と「公式レート」の乖離が招く実質インフレ
公式では「1USD=890ARS」でも、市場では1,300ARS前後で取引される現実。
国民は物価を「ブルーレート基準」で考えているので、価格にも跳ね返る。
通貨ペソに対する信頼ゼロ
過去8回のデフォルト。今でもS&Pの国債格付けは「選択的デフォルト(SD)」という絶望レベル。
通貨発行=インフレの悪循環
過去政権が財政赤字を埋めるためにペソを刷りまくったツケが、今。
借金を返すために、札を刷りまくってるアルゼンチン。。
旅行者への影響や現地在住者が注意すべきこと



じゃあどうすすればいいのか?
アルゼンチン旅行者・在住者向け。
【旅行者向け】



2022年・2023年の「とにかく何でも安いアルゼンチン」はもう存在しません。
ブルーレート
「安いアルゼンチン」は存在しません。
当時はイグアスとか往復90USDで行ったりしたな。。。


街の非公式の換金業者で換金する必要が減りそう。
- 今後は街中で大量のドルを握って換金する必要性が低下
- まだ、ブルーレートの方が10%弱強いのでまだ少しお得。
- カード支払いが一番おすすめだけど、チップの支払いも考慮して、一定額の現金持参必要


2.クレジットカード準備を
- 現地の正規レートで流通できる規模が広がったため、カードの利用がメインとなりそうです。
- VISA / Mastercardでも流通性が大幅に向上。
3.Western Unionも選択肢
安全性高く,レートも両行のWestern Unionをそのまま使ってもいいです。



これは海外からの送金用で緊急の場合でよし。
【現地在住者向け】
手持ちの外貨のバランスを見直す
- ドル・ペソ両方の給与を得られるの働き方に見直すべき
- ペソ持ちだけでの貯金はもはやリスク高め
ペソをわざわざ持たない生活スタイルへ移行したほうがよさそう。
まとめ:ブルーレートは消えそうだけどまだ残る。



ルールが毎日のように変わるアルゼンチン。経済の節目にいることは確か。
かつては「ブルーレートを知らないと損する!」と言われたアルゼンチンですが、
2025年以降、もはや情報戦に振り回されない, 正規ルートを使い、クレジットカードを駆使し,より安全に旅行や生活ができる時代が始まりそうです。
とはいっても
インフレ率も想定以上
IMFへの債務整理も問題山積で、すんなり「単一通貨」に進んでいくかは眉唾ものです。
表向き「インフレ率が下がった」と言っても、実生活が楽になるとは限りません。
むしろこれからは、「値上げのスピードは緩やかになったけど、まだまだ高いまま」という感覚が近いかもしれません。
✔︎ 電気・ガス補助金の削減
✔︎ ブルーレートと公式レートの差
✔︎ そして、外貨不足に悩む国の苦悩
ある意味、より現代的に、ある意味、より大人の現地生活をするチャンス。
最新情報をちゃんと探りながら,最高のアルゼンチン活を楽しんでいきましょう!

