問題=成長のチャンス。atar con alambre。

アルゼンチンのatar con alambre
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しずろく

ブエノスアイレスはすっかり春。

テラスでカフェを楽しむporteños も増えてきました。

この前アルゼンチンスラングまとめを作ってて改めて考えたAtar con alambre

「Atar con alambre」=「針金で縛る」

スペイン語で直訳するとこんな意味のこのフレーズ、

アルゼンチンでは「とりあえずなんとかする」「臨機応変に対応する」といったニュアンスで使われる。経済や政治が不安定なこの国で、人々が生き抜くための知恵とも言えるでしょう。

ブラジルにいた時もよく目にしたな。 Quebrar un galho、 Dar um jeito とか。

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ビジネスの現場で見る「Atar con alambre」

アルゼンチンのたくましさ

働いている日系企業のアルゼンチンオフィスでは、この「Atar con alambre」精神を日々目にする。

ってか毎日。

アルゼンチンならでは?の 度重なる商品・部材の輸入規制、外貨送金規制、法規制の変更。

しずろく

今年みたいに政権が変わった時なんかビジネスのルールが毎日のように変わります

例えば、昨年突然政府が為替規制を強化し、海外送金が困難になった。

日本本社は大パニック、一方現地の経理はあっさりと「大丈夫、なんとかなるさ」と言って、驚くほど迅速に代替手段を見つけてきた。

彼らの解決策は、時に法律のグレーゾーンをギリギリ攻めるようなものもあるけど、
「とにかくビジネスを前に進める」という姿勢には脱帽。


日本人の私からすれば「それホンマに大丈夫か?」と心配になることもあるけど、
彼らにとっては長年の経験から学んだごく普通のこと。

一方、日本の対応は…

恐らく、こんな感じ。

  1. 緊急対策会議の開催
  2. 上層部への報告と承認待ち
  3. 法務部門によるリスク分析
  4. 外部コンサルタントへの相談
  5. 複数の代替案の検討と比較
  6. 最終決定までに数週間〜数ヶ月

ちょっと大げさ?

もちろん、慎重に対応することは悪いことではないけど、ビジネスチャンスを逃したり、問題が更に悪化したりするリスクもあります。

アルゼンチンの「Atar con alambre」は、時として日本の「慎重すぎる」アプローチよりも効果的に問題を解決することがあるのです。

日常生活の中の「Atar con alambre」

インフレとたくましさ
しずろく

日常でも「なんとかする」感満載

この精神は、日常生活の中でも頻繁に見られる。

ある日、マンションの水道管が壊れた。

修理業者を呼んだところ、彼は道具箱から出してき針金(文字通りalambre!)とガムテープで30分ほどいじくり回し、なんと修理完了。

「新しい部品が手に入るまでこれで凌げるよ」と、にっこり笑って去っていきました。

さすがにこれには怒りもなく、苦笑いしかなかった。。笑 
(ちなみにアルゼンチンの住宅トラブルは誰もが経験する通過儀礼)

日本だったら「部品の取り寄せに1週間かかります」なんて言われそうなところですが、ここではその場で問題解決。

確かに見た目は美しくありませんが、機能はその後完璧に復活していた。

同じ状況が日本で起きたら、どうでしょう。

  1. メーカーのサポートセンターに電話
  2. 修理の予約(早くて数日後)
  3. 技術者の訪問と診断
  4. 部品の発注(1週間〜10日かかる)
  5. 再度の訪問と修理

結果、水道管が使えるようになるまで2週間以上かかることも。

確かに、最終的には「正式な」修理が行われますが、その間の不便さは計り知れない。

アルゼンチン流なら、とりあえず使えるようになっているんです。

インフレに負けない「Atar con alambre」な暮らし

言うまでもない驚異的なインフレ率。
私が来た3年前と比べると、物価は5倍以上に跳ね上がっている。
そんな状況下で、アルゼンチンの人々はというと・・。

答えはもういうまでもなく、「Atar con alambre」。

スーパーでの買い物。値札が日々変わる中、人々は「今日のレート」をチェックし、どの店で何を買うべきかを瞬時に計算。

値上がりしそうな商品を爆買いして備蓄。
曜日ごとに変わる銀行の各種ディスカウントを使い分けてレジで支払いする姿もよく見かける。

給料日には銀行に長蛇の列ができる。
給料をすぐにドルに換金するため。ペソを持っていると、日に日に価値が下がってしまう。(最近は少し落ち着いているけど)

しずろく

マリーシアと似ている部分もある。「ずる賢さ」

日本でも最近はインフレが話題。アルゼンチンと比べればまだまだ穏やか。
それでも、物価上昇に対する反応は興味深い。

  1. SNSでの値上げ情報の拡散と騒動
  2. 政府の対策を待つ姿勢
  3. 消費を控える傾向
  4. 節約術の本やメディア特集の増加

アルゼンチンの人々が「どうやって乗り越えるか」を考えるのに対し、
日本人は「どうやって避けるか」を考える傾向があるように感じる。

もちろん人によるし、一般化できないけど傾向としてはあると思う。。

政治の不安定さを乗り越える力

アルゼンチンの政治は、とにかく目まぐるしく変化する。

大統領が変わるたびに、経済政策が180度転換する。でも、そんな中でも人々は「Atar con alambre」の精神で、たくましく生きています。

「政治家なんて当てにならない。自分たちでなんとかするしかないさ」

こう言って肩をすくめる友人の言葉が、この国の人々の強さを物語っているように感じます。

しずろく

〇ぬこと以外かすり傷。

「Atar con alambre」から毎日学ぶ

前例主義

Atar con Alambre 、仕事や日常で直面するたびに最初は
「それって場当たり的じゃない?」と思いました。

でも、アルゼンチンで過ごす時間が長くなるにつれ、この考え方の奥深さに気づかされている。

しずろく

アルゼンチン人に染みついている考え

時にはずる賢く、どんな状況でも前を向き、創造的に問題を解決する生きる術。

完璧を求めるのではなく、与えられた状況で最善を尽くす姿勢。
そして何より、困難を楽しむくらいの余裕・・・。

仕事上では「Atar con alambre」にも功罪はある。
安全性や法令順守の面で問題を引き起こすリスクもある。

でも、その柔軟な発想と対応力は、見習うべきところがたくさんあるし、
自分自身それに救われたことは本当に多々。

  1. 変化への対応の遅さ
  2. 過度な完璧主義による行動の遅れ
  3. マニュアル依存症
  4. 前例主義

こんな染みついた考えが、時として自分の適応力を鈍らせていることも。

理想的なのは、アルゼンチンの「Atar con alambre」精神と日本の緻密さをうまく組み合わせること。つまり:

  1. 問題に直面したら、まず「なんとかする」精神で即座に対応
  2. 同時に、長期的な解決策も冷静に検討
  3. 柔軟性を持ちつつ、品質や安全性も確保
  4. 失敗を恐れず、しかし学習も忘れない
しずろく

バランス感覚が大切

このバランスを取ることができれば、どんな困難な状況でも乗り越えられるはず。

日常生活で行き詰まったとき、「Atar con alambre」を心がけている自分。

絶望的な問題が起きたと思っても、後で振り返れば大したことないってことがほとんど。

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