- 子連れでマチュピチュ旅行を計画している人
- クスコ~マチュピチュの通称:スタンドバイミールートの最新情報を知りたい人
- 子供と一緒にペルーで冒険旅行を楽しみたい家族

2024年の話。ペルー・クスコに遊びに行ってきました。
アルゼンチンにいる利点を生かして南米あちこちに遊びに行っています。
今年はどっか行こうか?と妻に尋ねると即答で「マチュピチュ!」と。
よしチケットを取ろう。ということで今回マチュピチュ行ってきた。


でも高山病大丈夫か?とか小さな子供はトレッキング大丈夫か?
とか色々調べてみると不安になることもちらほら。
それでも1週間行って来たら、一生に残る大冒険で最高だった。
結論:子連れでも冒険感満載でマチュピチュ旅行は可能!
高山病への対策は必須だけど、途中の街で体調を整えながら楽しめば、
子どもと一緒に最高の思い出が作れる。


今回の日程・やりたい事


マチュピチュまで歩いて行きたい!



せっかくマチュピチュ行くなら、普通のルートで行っても面白くない!
ということで後述する「スタンドバイミールート」という
プチトレッキングでふもとの町から歩いてマチュピチュを目指すことに。
子供も小学校に入ったということで、山道歩いてマチュピチュを目指す。
あとはクスコ周辺の町を見て、うまいもの食べれたらOK。
(のちに色々トラブルが。。)
日程は5泊6日。
ブエノスアイレスからクスコまでは距離も比較的近い(乗り換え時間込みで8時間)。
ブエノスアイレスからクスコへ


私たち家族が住むブエノスアイレスからペルーのクスコに行くにはいくつかパターンがあり
多くはチリのサンチアゴ経由 or ペルーのリマ経由で。
LATAM航空はプロモーションチケット多い。



今回はLATAM航空でサンチアゴ経由。
今回の旅はアルゼンチンからLATAM航空を利用してクスコへ。
たまたまサンチアゴ経由クスコまでのチケット爆安プロモーションが販売されており、
3人分のチケットを即購入。
ちなみに2025年からアルゼンチン航空とLatam航空間のマイル連携が始まり、
Aerolineaを使うアルゼンチン在住者としてはありがたい。
今月2月1日からLATAM 航空で乗った分がアルゼンチン航空のマイレージに加算できるようになった💡
— しずろく🇦🇷 (@Shizuroku1) February 4, 2025
🇦🇷便の利用者の多くor中南米便多く使う人には、吉報! pic.twitter.com/rDMsDfNNPe




ブエノスアイレスから乗り換え込みで8時間でクスコに到着。
(ここまでの道のり超短縮)
クスコ空港に降り立った瞬間感じる。それは・・・



酸素うっす!!
それもそのはず。
標高0mのブエノスアイレスから突然 標高約3,400mに降り立ったから。
子供の高山病が少し心配。。
さっそく空港で買ったコカ茶を子供と一緒に飲みながら、市内のCasa Andinaホテルへ。
いつもペルーやボリビア来るとコカキャンディ食べまくる。
クスコに降り立った瞬間これだけのコカキャンディが売っています。


翌日はゆっくりクスコを散策し、少しずつ体を慣らした。
マチュピチュ旅行のベストシーズンは乾季?雨季?



乾季?雨季?マチュピチュ行くならこのシーズン。
マチュピチュのベストシーズンは一般的には乾季(5月〜10月)と言われている。
なるほど。
実際の降水量を見てみる。


確かに雨が少ない。
月間の晴天日数も見てみる。


晴天日数で見ても確かに6-9月が特に多い。ハイシーズンというのも納得。
実際行った際のガイドさんに聞いてみた。(後日談)
雨季(11月〜4月)は雲や霧が幻想的な景色を作り出すため、こちらも魅力的とのこと。
登山をするかどうかや、どのような景色を楽しみたいかで時期を決めると良い。
今回私たち家族は、乾季の始まりの5月に行ってきました。
クスコからマチュピチュへの行き方





クスコを拠点にして、マチュピチュを目指すには主に3つの手段があります。
それぞれの特徴や所要時間、費用は以下
電車 | トレイル 歩き | バス +歩き | |
---|---|---|---|
所要時間 | 約3時間半 | 約4-7日 | 約10時間 |
費用 | 片道 150-200USD | 1,500 ~ 2,000USD | 片道 30USD |
子連れ | 定番 | 厳しい | (年齢次第) | 微妙
オススメ する人 | 一般的なルート | 時間がありクスコ-マチュピチュ間を じっくり楽しみたい人 | 一味違う マチュピチュ旅行をしたい人 |
電車





最も定番。
- クスコからの所要時間:約3時間半
- 費用:片道約100〜200米ドル
- 特徴:快適で手軽だが、費用が高め。あまり面白味はない?。
インカトレイル(4日間のトレッキング)


- 所要時間:約4〜7日間
- 費用:約500〜1000米ドル
- 特徴:本格的なトレッキング体験、体力が必要



いつかやりたい!
今回は小さな子供が一緒のためいつか必ず。。!
後で出てくるオリャンタイタンボ近くの町から 4~7 日かけてインカの道を歩いてマチュピチュまでたどり着くコース。
スタンドバイミーコース(バス+歩き)





今回家族で取ったルートはこれ。
- クスコからの所要時間:約10時間(徒歩区間は山道11km)
- 費用:バス利用で約20〜30米ドル/一人
- 特徴:冒険感あって楽しい。11km歩くのが結構しんどい。


なぜ「スタンドバイミー」かというと映画さながら、
線路の上をひた歩いてマチュピチュを目指すから。
バックパッカーや一風変わった旅をしたい人には超有名なコース。
結婚前、20代の頃にマチュピチュに2度来たことがあり電車・このスタンドバイミーコース両方を楽しんだ。
子供も10km は歩けるだろうということで今回チャレンジ。
冒険感・達成感そしてなんといっても大自然を味わえて最高にオススメ。
(とはいっても、いろんなトラブルが発生・・後述)
クスコ~Chinchero





このルートを取るにはクスコ-マチュピチュの間にあるオリャンタイタンボという中間地点を目指す。
今回は高山病対策もかねて、まずその間の小さな町や観光地を回ることに。




まずクスコからは車でチンチェーロ(Chinchero)へ向かい、アルパカの毛織物体験。子供はアルパカに触れて大興奮。



アルゼンチンにも一応アルパカいるんだけどなぁw
クスコからオリャンタイタンボタクシーやバスを雇うと、好きなところに降りることができず、値段も結構高い。今回は街中のドライバー数名と交渉し、個人でスケジュールを組んでもらって安く済んだ。


このチンチェーロ、標高3800mの高地に位置する小さな村。
実はクスコ市内で出回っているアルパカの織物の6割はこのChincheroの部族が織った織物と言われておりハイクオリティな手作業での織物は見もの。


おばあちゃんは500種類の織物のデザインを先祖代々継いでいて、本はなく、全て口頭、経験での伝承とのこと。(衝撃)
敷地内にリャマやCUY (食用ネズミ)などの動物もいて子供はこれだけでも楽しい。




青空。


さてその織物の機織・染色もしてくれる。








織物の染料はChichaと呼ばれる紫トウモロコシや、
サボテンにつく独特の虫から出る色素(コチニール色素)を使って100%自然由来。
一回染色したらお湯でゆでてもその色は全く消えない。



子供はアルパカデザインの帽子を買いたいとごねる。。これからトレッキングで荷物が増えるため断念。。!


マラスの塩田


Chincheroを出て車で30分。マラスの塩田へ塩の採取風景を見に。
谷間に広がる3000以上の小さな塩池が美しい幾何学模様を作り出している。
ここではプレインカ時代から段々畑で
塩の採取が続けられていて、家族代々その権利が受け継がれている



昔来た時には塩田の中は入れたけど、今回は改修中のため展望台から見ることに。


ここではアンデスのミネラルたっぷり岩塩が5ソル(約200円)でこのくらい買える。
(アルパカの帽子は買わなかったのにこの0.5kgの塩を買い、その後ただの荷物となる。。)
Chinchero~Ollantaytamboへ(ここで一泊)



マチュピチュ前の拠点の町「Ollantaytambo」へ到着。


どうでもいいけど、「オリャンタイタンボ」ってなんかリズム良くないですか?
夜はこの町で一泊し、街をゆったり散策して体調調整。
ここは個人的には思い出のある町。バックパッカー時代に友人のKさんと、モグリのスペイン語ガイドをしていたことがある。懐かしい。
時間は有り余ってたけど金のない学生。
バイト代稼ぎにクスコ-オリャンタイタンボ間を当時は一日2往復することもあったな。


インカ時代の軍事要塞でもあったオリャンタイタンボは、現在も生きた町として息づいている珍しい場所。
もちろんこいつも街中にいる。


石畳の狭い路地を歩けば、インカの面影は至るところに。
遺跡の上部から眺めるアンデス山脈の景色は絶景。
10年前から何も変わらない。時間が止まったかのような感覚。
Ollantaytambo~Hidroelectrica
さて、ここからが本筋。
今回のマチュピチュまでの「スタンドバイミールート」まず、Aguas Calientes近くのHidrooelectrica (水力発電所)までバスで行く必要がある。


もし歩いたら4-5日のインカ道になるので今回は断念。。



いつかやりたい。。
オリャンタイタンボで一泊し
翌朝はバスで水力発電所(Hidroelectrica)へ移動。ここからが冒険本番!
のはずがトラブル発生。
オリャンタイタンボ市内のPlazaに来るはずのローカルバスが来ない!!!
Whatsappでドライバーに聞いてみると、市内の工事のため街中に入れないとのこと。


マジでなんもない。サボテンしかない。大丈夫か?
変更になった集合場所を聞いてみると
「町の入り口の電柱のあたりで宜しく~」とドライバー
急遽町を出、15分歩き、指定の乗り場までくる。


「電柱ってどれやねん!いくらインカの街並みでも電柱1万本位見えるわ!」と心の中でつぶやく。
近くの警察官に聞いてみたら、「ま。この辺で待ってたらええんちゃうん」とのこと。
ちなみに今回の旅にはSaily eSIMとNord VPNを持ってきているのでどこでも電話とネットがつながるのは最高。


そしたら予定時間から30分遅れてバスがきた。


さて、無事捕まったこのOllantaytambo – 水力発電所までのバス。
所要時間は約5時間。
バスチケットはCuscoで買うと70USD程するが、
Ollantaytambo 市内でローカルの店で買うと 20USDで買える。



直接Ollantaytamboで買うべし。


途中一時休憩をし、山の中
途中で4,000mを越える地点も通り気温も下がる。


ペルーで定番インカコーラを飲み。


そういえば
こんなペルーの誰もいない山奥でも中華系の建設会社がトンネルを作ってる。恐るべしハングリー精神。そして5時間ひたすら走り、
無事水力発電所に到着!


ここからがスタンドバイミールートの本番。
本来12時につくはずがもうこの時点で13:30。。。
夕暮れは18:00。大丈夫かなぁ。
Hidroelectrica → 11km のスタンドバイミー ルート


水力発電所に着いたのが13時!そして日暮れは18時!
この水力発電所からひた歩くスタンドバイミールート。
最高の景色を味わえるのだが、唯一心配なのが夕暮れ。
線路の上を歩くとは言ってもただの森の中を歩。
日が暮れると街頭は一切なくなり漆黒の闇になる。。(若いころ経験)
マチュピチュ村(Aguas Calientes)まで距離は11kmだけとは言え、ガレ場も多く、
なるべく子供の歩くペースを考え時間を稼ぎたい。


とか言いつつ、おなかすいたので昼食。
水力発電所からのこのルートを通る観光客も多く、食べ物を買える店なども多い。





日没までの時間ヤバいね。。(この時点でもう14時近く)
と妻に言っていると「まぁとにかくやるだけだね!」とゴルゴ13ばりの返事が。


確かに。
ま。子供も楽しそうだし 何とかなるか!ということで出発。


インカRAILの電車を横に見ながらひた歩き始める。
11kmのルート、超気持ちいい




線路沿いを約11km、家族みんなでワクワクしながら歩き始める。
途中、美しい緑の景色や渓谷、熱帯の植物に囲まれ、子どもは線路を歩くスリルに大喜び。
夕暮れの心配を忘れるほど気持ちいい。


絶景が続く。昔のインカの人たちもこんな景色見ていたんかな。
でもガレ場が多いので子供は結構疲れる


途中廃墟となった橋の下を通る。
ちなみにマチュピチュ周辺は標高が低い。
クスコが3,800mあるのに対し
マチュピチュのふもとアグアスカリエンテスの標高は2,000m。



Cusco, Ollantaytambo に比べたら息が超楽。
湿気も多く気温が上がるので服装の調節が難しい。
すぐ訪れる有名スポットの橋
歩き始めて2kmもすると訪れるこの橋。


線路の真上を歩くのもいいけど、
下に落ちたら10m下の川に真っ逆さまなのでこっち の側道を通る。


そしてまたただひたすら歩く。
ひたすら3時間線路の上を歩く。


マチュピチュに少しづつ近づいてくる。
たまに他の旅行者とも遭遇する。



子連れでこのルート歩いているヨーロッパ人の家族と1組だけ出会う。


線路際にはイヌたちがたくさんいてかわいい。


歩いて3時間。なんだか
なんか雲行きが怪しくなってきた。


雨が!!
そして案の定


速攻レインジャケットを着て、雨対策。
それでもバケツをひっくり返したような雨に靴もかばんもすべてずぶ濡れ。






雨で土砂ぶりになっている真横をペルーレイルの電車が優雅に過ぎ去っていく。
なんかいいな、と一瞬思いながら「違う、俺らはこのルートを歩ききるんや」と自分に言い聞かす。


この残り2km くらい?の地点で既に時間は17:00。時間ヤバいかな。。
こっからが意外と長かった。。
泥だらけの線路横を通って、




線路からも道は外れ、なんだか少しづつ街の雰囲気が。




気合でぎり夕刻前にアグアスカリエンテス(マチュピチュ村)へ到着



無事マチュピチュ村(Aguas Calientes)へ到着。


疲労困憊。子供はよく頑張った。
めちゃめちゃおなかがすいていたけど、
疲労よりも日が暮れる心配がここにきてどっと出てきた。
でも、マチュピチュまでミニトレッキングをするという最高にいい思い出ができました。
このタフな道のりを一緒に来たはずなのに「夕飯何にする?」
とけろっとした妻に、自分はこんな状況





最高に楽しいけど超疲れた!
子連れで見込んでおいた方がいい時間
水力発電所の到着が遅れたのが想定外でした。
本来の13時に出発して18時まで11kmの工程を歩くのは決して難しくないです。
大人だけであれば水力発電所からアグアスカリエンテスまで2-3時間で着く感覚。
子連れで参加する場合は余裕をもっていくことをお勧めします。
【おすすめ持ち物】子連れのマチュピチュ旅行
子連れ・大冒険のマチュピチュ旅行。
持って行ってよかったなと感じた持ち物を紹介。



持っていったら旅の快適さが格段にアップ。
日焼け止め
標高が高いマチュピチュでは、太陽の光が思った以上に強烈。
曇りでもしっかり塗るのが正解。子ども用の低刺激タイプを使いました。


水筒
遺跡内では売店などがない。水分補給はマスト。
保冷ボトルを家族分持っていて大正解。
サーモスのキャリーループ付きが好き。
このつかむところがトレッキング時の持ち運びに最高。


カラビナもつけれる。
高山病の薬
我が家も大人用の軽めの薬持参。
アルゼンチンの薬局では”Acetazolamida”という高山病対策の薬が処方箋なしで購入できる。ボリビアやペルーの薬局でも売っています。
過去ツイート
Acetazolamidaはアルゼンチンの薬局で,普通に買える
— しずろく🇦🇷 (@Shizuroku1) June 14, 2024
(venta bajo por recetaになってるけど処方箋不要)
この薬、日本ではダイアモックスの名前で売られている。
血管拡張作用ががあって高山病に効果的。この前ラパスで大活躍。
今回もちょっと使ってみて嫁(服用無し)と状態比べてみます。… pic.twitter.com/PJsgiU4ih2
軽めのマウンテンパーカ
朝晩は冷え込むうえ、突然のスコールにも対応できるパーカは必須。
私たち夫婦はNORTH FACEのハイエンド軽量パーカを愛用。
軽くてコンパクトなのに防風・防水ばっちりで大活躍。
歩きやすい靴
スタンドバイミーコースや遺跡内はとにかくよく歩きます。


とはいっても激しい山登りではないので、4日間のインカ道を歩く場合を除いて
トレッキングシューズは必要ないと思います。
それよりも子供含めて普段履きなれている普通のスニーカーでOk。
子供お気にのお菓子(11km walkでモチベを保つ用)
線路を歩く11kmの道のりでは、子どもが「ゴールまだー?!」となりがち。
そんな時に助けてくれたのが大好きなお菓子。
我が家はじゃがりことグミが救世主になった。
まとめ(体験を通しての感想と次回予告)
子連れでもしっかり準備をすれば、冒険感あふれるマチュピチュ旅行が可能。
今回のルートは特に子どもが大喜びだった。
一生の思い出になるマチュピチュ旅行になります。
次回は後編として、マチュピチュ散策と列車の旅、そしてクスコの子連れおすすめ観光スポット
を詳しくご紹介します。お楽しみに!