
お客さん連れて始めてブエノスアイレスの超有名カフェに行ってみた。
その名はCafé Tortoni。
ブエノスアイレスで1858年から(!)営業しているもはや博物館的カフェ。
約170年間も営業し続けている生きる伝説。
スペインからの独立が1816年。そのあとの歴史をずっと見てきたっていうことか。。
そんなCafé Tortoni、今回初めて行ってみた。
結論、カフェ・トルトーニは「ただのカフェ」ではなく、
アルゼンチンの歴史と文化が一杯のコーヒーに詰まった“生きた博物館”だった。
しかも観光地にしては良心的な価格。
Cafe Tortoniの場所・営業時間



Café Tortoniの場所
大統領府の Plaza de Mayo からメインのMayo 通りを歩いて5分ほどで右手に見えてきます。
外観から歴史がにじみ出るカフェ


1858年創業。カフェ・トルトーニはブエノスアイレス最古のカフェ。
店の名前は、フランス・パリにあった同名のカフェから取られたとされてる。
当時パリのカフェ・トルトーニは芸術家や知識人が集うサロンで、アルゼンチンでも同じように「文化の拠点」を目指したのが始まりだそう。
詳しくはCafe Tortoniのサイトに書いてあります。


サイト
入口の青緑色の看板と重厚な木の扉をくぐると、そこは100年以上前にタイムスリップ。


高い天井、ステンドグラス、制服姿のウェイターたちが、クラシックな雰囲気を漂わせています。


実際に頼んだメニュー:甘くて冷たい「Dulce Cabrales」


初夏のブエノスアイレスは暑い。



オススメの冷たいドリンクは何かありますか?
と聞いてみるとこれがこのカフェで夏には最高だぜ!と言われたのが
Dulce Cabrales。


Dulce Cabrales?聞いたことないぞ?Dulce de Leche が入っていることが容易に想像できる。。
聞いてみるとコーヒーブランドのCabralesをdulce de lecheと合わせてなんとも甘そうな飲み物。


注文したのは、
- Dulce Cabrales(8ドル):アルゼンチンの有名コーヒーブランド「Cabrales」を使ったコールドコーヒー。名前の通りほんのり甘い。濃いめのコーヒーにミルクと甘さが加わり、思わずゴクゴク飲める。


- フランボワーズソースのチーズケーキ(7ドル):濃厚なチーズに、甘酸っぱいベリーソースが絶妙。アルゼンチンらしからぬすっくりした甘さで最高。
観光地価格を覚悟していたので、ケーキ+コーヒーで15ドル程度と知り「意外と安いじゃん!(高いんだけど)」とびっくり。
ちなみにアルゼンチンスペイン語がわからない方もこの本があれば観光地・店でも全く問題なくコミュニケーション取れます。
アルゼンチンでぶっつけ本番の会話ができます。
癖の強いアルゼンチンスペイン語にも対応
Café tortoni。メニュー表がおしゃれ。


2025年10月時点のメニュー


価格は実際は安くないんだけど、昨今のインフレでブエノスアイレスは中南米で最も物価の高い街になっています。。


Café Tortoniはただの「カフェ」じゃなくて、歴史的サロンだった。



なんでそんな有名で歴史があるのかちょっとサイトを覗いてみる。
以下Café tortoni のサイトから引用。


創業者
カフェ・トルトーニは1858年、ブエノスアイレスのエスメラルダ通りとリバダビア通りの北西の角で開業。
その場所で営業を続けたのは1880年代半ばまで。創業者はフランス人の ジャン・トゥアン(Jean Touan)。
店名は、当時パリで知識人や芸術家が集っていた有名な「カフェ・トルトーニ」にちなんで付けられました。Café Tortoni “Un poco de Historia”から
その後


バスク=フランス人、セレスティーノ・クルチェの登場 (カフェの2代目)
この店の歴史に深く結びついたもう一人の人物。
セレスティーノ・クルチェ(Celestino Curutchet)。1828年にフランス・バスク地方で生まれた。1862年にアナ・アルトカントゥリーと結婚。アナの母は一度未亡人となった後、ジャン・トゥアン(創業者)と再婚し、すでにブエノスアイレスに住んでた。
そんで、クルチェは義母が語るアルゼンチン首都の繁栄ぶりに魅了される。1870年、一家はブエノスアイレスへ移住。
1879年にクルチェがカフェ・トルトーニを引き継ぎ、亡くなるまで経営を担った。



ふむふむ。
その後1900年代。
「ペーニャ・デル・トルトーニ」の誕生(1926–1943)
カフェ・トルトーニの有名な文化サークル「Peña del Tortoni」は、1926年から1943年までの17年間続く。
1920年代、画家の ベニート・キンケラ・マルティン はアベニーダ・デ・マヨ沿いのカフェに通っており、とくに「ラ・コセチェーラ」(ペルー通りとアベニーダ・デ・マヨの角にあったカフェ)での集まりに参加していました。ある日その常連客たちはトルトーニに場所を移すことに。芸術好きのクルチェ一家は、「才能ある芸術家に囲まれれば、店に名声と輝きをもたらす」と考えた。



Peña(ペニャ)っていうのはお金持ちたちの芸術サロンのこと。
奥に隠された「サロン」ではタンゴも



食事をした後に奥のサロンにも行けます。
今は博物館になっている。


トルトーニの魅力はカフェだけではない。
奥にはこういった「サロン」と呼ばれる小さな劇場がいくつかあり、
夜にはタンゴショーや朗読会、音楽イベントが開かれる。
↓の “Sala CesarTiempo”はアルゼンチンの詩人・劇作家 César Tiempo(セサル・ティエンポ, 1906–1980) にちなんで名付けられた。


タンゴは街角だけじゃなく、こうした文化的なカフェの中で育まれてきたんだ」と実感できる空間。


ちなみにCafé Tortoniのタンゴショーはよくある22時に始まるタンゴショーディナーで回がある。
18時・19時・20時の回があり、年配の方や子供連れでも行きやすいです。
誰が来た?有名人の足跡


このカフェにはアルゼンチン文化を代表する人々はもちろん、そして世界的著名人も訪れてる。
- 文学:ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フェデリコ・ガルシア・ロルカ
- 音楽:カルロス・ガルデル(タンゴの巨匠)
- 政治:エヴァ・ペロン
- 科学:アルベルト・アインシュタイン
店内の壁には肖像画がずらりと並び、まるで「ここに座ったのかも?」と妄想が広がって楽しい。
アインシュタインも来たのか・・


観光地なのに良心的な価格
有名観光地にも関わらず、ケーキとコーヒーで15ドル前後。
アルゼンチンの物価事情を考えると、むしろ“庶民的”にすら感じます。



日本よりはよっぽど高い。。
お土産コーナーもあり。


支払いはクレカも使えますが、アルゼンチンペソ現金がベスト。
ブルーレートで換金すればさらに割安に楽しめます。
「絶対に損をしないアルゼンチンの換金方法」は以下に書いています。


まとめ:ブエノスアイレスで絶対外せない一杯
カフェ・トルトーニは「観光客向けカフェ」ではなく、アルゼンチン文化そのもの。
歴史ある建物で、芸術家や有名人が集った空気を感じながら、良心的な価格でおいしいコーヒーとスイーツを楽しめます。


ブエノスアイレスに来たら、ぜひ一度訪れてほしい場所。
そして余裕があれば、夜のタンゴショーまで体験してみてください。
きっと「この街に来てよかった」と思えるはずです。

